Q&A

Q 側弯症はどんな原因で起きるのでしょうか?

A 側弯症の約8割は、特発性側弯症です。「特発性」とは、原因不明という意味ですので、まだはっきりと原因がわかっていません。しかし、近年の研究によりいくつかの遺伝子の関与がわかってきました。母親が側弯症ではない子に比べ、母親が側弯症の子は発症するリスクが約1.5倍になると発表されています。

また、特発性側弯症の多くは、思春期に起こり、学校検診によって発見されることが多いです。

他には、生まれた時にすでに存在する先天性側弯症、脳性麻痺のような神経学的疾患、筋ジストロフィーのような筋疾患、ダウン症候群・マルファン症候群・エーラスダンロス症候群・レックリングハウゼン病などの遺伝的疾患が知られています。

Q 何歳ぐらいに多いのですか?

A 特発性側弯症の多くは、10歳以降の思春期に起こる思春期特発性側弯症です。他には、乳幼児期側弯症(3歳以前に発症)、学童期側弯症(4歳から9歳に発症)があります。

Q 特発性側弯症は女性に多い疾患ですか?

A 思春期に起こる思春期特発性側弯症は、女子の患者数が男子の5倍~8倍とされています。

Q 側弯症にならないように予防する方法がありますか?

A 予防する方法はまだわかっていません。したがって早期発見が重要になります。そのために学校で側弯症検診が行われています。

Q 側弯症が自然治癒することがありますか?

A 側弯症は、自然治癒することはありません。しかし、特発性側弯症のうち、乳児期に発症する側弯症だけは自然治癒することがあるとされています。

Q 側弯症は、いつ、どのくらい進行するのか?

A 特発性側弯症の場合は、小学校高学年から中~高校生にかけて、体の発育や成長が止まるまで進行する傾向にあります。したがって、進行していないか定期的にチェックする必要があります。一般的には、骨成長が成熟期に達すると側弯が急速に進行することは無くなります。

成長期を終えると、側弯の角度が30°未満であれば進行することは少ないとされています。しかし、50°以上の側弯の場合、成長後も1年間に0.5~1°程度、進行すると言われています。

Q 側弯症は、生活習慣の影響を受けますか?

A 最近行った、慶応義塾大学の研究結果では、通学鞄の種類や重さ、寝る姿勢、睡眠時間、食習慣、ベッドか布団か、などの生活習慣は側弯症と関連はありませんでした。

また妊娠や出産の状況も側弯と関連はありませんでした。しかし、やせ型の女子に側弯症が多いことが分かりました。

スポーツ経験に関しては、クラシックバレエの経験がある女子はない女子と比較して、側弯の発生が1.3倍でした。しかし、バレエをしていたために側弯になったのか、側弯になりやすいやせ型の女子がバレエをやっていたのかは分かりません。今後さらなる研究が必要と考えられています。

Q 側弯症は、運動で治りますか?

A 側弯症は、その方によってカーブの仕方も程度も違いますので、一概に治るとは申し上げられません。また、手術療法のようにすぐに結果が出ない場合もございますし、運動をしていても残念ながら進行してしまうことも無いとは言えません。

運動というものは、日々の努力が積み重なっていく形になりますので、継続して治療を進めていきたい、前向きに取り組みたい、という方にお勧めします。

Q 装具や手術をしなくても良くなりますか?

A 現在、日本ではコブ角により装具と手術を勧められますが、ドイツでは、SOSORT学会により側弯症の保存療法のガイドラインが作成されております。急激に進行するリスクに関する最新の情報に基づいており、コブ角だけでなく、年齢や骨の成熟度をあわせて考えられております。

当院でも、そのガイドラインに照らし合わせて、個別に対応しております。必要に応じて適切な装具をご案内しております。

また、装具による保存療法とシュロス式の側弯症の教育には、科学的で明快な兆候がある一方、手術の必要性は近年では疑問視されています。もちろん手術の適応となる場合もございますが、手術に至る前に、できるだけのことをしておくことが大切ではないかと考えております。

Q 初診時に、レントゲンの画像が必要ですか?

A カウンセリング・検査・レントゲンの画像をもとに今後の方針をご相談いたしますので、できましたらご持参ください。データが無い場合、写真でも大丈夫ですが、正面ではっきりと写っているものをご用意ください。

Q どの位、通った方が良いですか?

A シュロスのエクササイズは、ご自身でもご自宅でやっていただくことが大切です。できるようになるまで通っていただく必要があります。はじめは3~5回くらい、通っていただいております。遠方の方などは、2回目以降はご相談ください。

Q 定期的にチェックなどした方が良いでしょうか?

A 残念ながら、2週間でも急速に進行してしまう例が、今までにはありました。骨の成長が終わるまでは、定期的なチェックをお勧めしております。お医者様でのレントゲン検査と、ご自宅でのチェックを合わせてしていただけると良いでしょう。当院では、定期的な運動のチェックと一緒に、身体のチェックも行っています。

Q 大人の側弯症治療とはどのようなものですか?

A 大人の方の場合は、腰痛・肩こりなど痛みの症状がある場合、そちらの治療を先に進めます。曲がっている背骨をまっすぐにすることはできませんが、背骨の動きを良くすることで、機能的な背骨に近づけることは大切だと考えています。

経過を見ながら、普段の生活に取り入れやすい姿勢をご指導いたします。積極的にエクササイズしたい方には、もちろんエクササイズ指導も行っておりますのでご相談ください。

側弯症エクササイズ教室
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